宣伝はTwitterのみ!ニッチな菌床ブロック通販だからこそ「届けたい人に届ける」コミュニティの強みとは?株式会社大竜ファーム 大沢 竜児さん

大沢 竜児さん
株式会社大竜ファーム、椎茸狩り観光農園大竜ファーム、農園レストラン男メシ食堂の代表取締役。東京都八丈島で生まれ育ち、上京を機に様々な職業に携わるも、家業である生花店株式会社フローラ八丈を継ぐタイミングで帰郷。以来、椎茸栽培と椎茸狩り観光観光農園・レストランを生業とし、椎茸栽培における八丈島での地域ブランド化に成功。椎茸栽培のきっかけにもなった趣味の「スマトラオオヒラタ飼育」をこよなく愛し、大型作出の研究に勤しむ。

競走馬のようなブラッドゲームを繰り返す、昆虫ブリードの世界へようこそ。 

八丈島で「うみかぜ椎茸」の地域ブランド化に成功されている大沢さん!本日は椎茸栽培の原点であるスマトラオオヒラタの飼育には欠かせない菌床ブロックの通販についてお話をお伺いできるのを楽しみにしていました…!まず、クワガタの飼育のきっかけを教えてください!

大沢 竜児さん

当時、5歳の息子がカードゲームのムシキングにはまっていたのですが、四六時中外にも出ず家の中でゲームをするんです。その情景を見たときに、野山を駆け回って自然と触れ合っていた自分の子どもの頃とは違うと思ったのと同時にどこか寂しく感じたんです。だから、子どもの知育の観点からカードゲームの虫ではなく、生きた虫を与えてみようと考え、オオクワガタのオスとメスのペアを購入したのがきっかけです。

しかし、最初は興味津々で子どもも遊んでいたのですが、1週間もすると飽きちゃうんですよ。子どもは飽きても生き物なので結局、親が面倒を見ることになるんです。しかし、世話をしているうちに繁殖の方法を自分で検索したり、本を読みながら勉強していくうちに気づいたらわたし自身がクワガタの奥深さにはまっていたんです(笑)

大沢さんご自身がハマってしまったんですね(笑) 何事にもハマりやすいタイプなんですか ?

大沢 竜児さん

自分が面白いなと思ったことにはとことんハマりますね。ただ闇雲に飼育していた昆虫ブリードの世界もブリーダーさんの育て方や世代を超えての体のサイズや長さなど個体が進化する過程にどっぷりと沼にハマってしまいました!

他のブリーダーさんを研究されていく中で、大沢さんご自身がブリーダーになるきっかけはなんだったのでしょう?

大沢 竜児さん

体重や体長など仮説検証した結果、自分自身で納得する虫が作り出せるようになったことですね。しかし、ブリーダーだけで食べていけるくらい儲けているわけではないので、現在でも趣味の範囲は超えないですね。

そこはあくまでも趣味なんですね(笑)希少価値のあるクワガタでも、ブリーダー単体での収益化も……?と考えてしまうのですが、現実的ではないんですかね?

大沢 竜児さん

卵が幼虫に孵化するまで20日から1カ月半、その後幼虫から成体になるまでの1サイクル約2年かかります。昆虫の飼育も競走馬と同様に親から子に受け継がれるブラッドゲームなので、世代を超えて親の大きさや横幅はもちろん、顎の形状など似通った特徴が子どもたちに受け継がれていきます。

人間などの恒温動物と異なり、昆虫は10代くらいまでであれば血の弊害が出にくいと言われています。5代程度まで掛け合わせていくと徐々に大きい個体が出てくるようになるのですが、1代の飼育で交配から羽化までで約2年かかるとすると種親選定しながら自分で納得できる成体を飼育しようとすると約10年かかる計算になります。収益化に時間がかかるだけでなく、自分の納得した個体の飼育にこだわるとブリーダー単体での収益化は難しいと思います。

確かに…収益化が難しいと判断してから菌床ブロックのEコマースを始められたのでしょうか?

大沢 竜児さん

いえ、菌床ブロックを製造、販売しようと考えてはいなかったです。たまたま、九州にキノコの菌床ブロックを製造する工場を所有している知り合いから、キノコ菌床生産工場の稼働率が悪いのでなにか良い方法はないかと相談を受けたので「クワガタの菌床ブロック作りませんか?」と提案しました。

工場の方はブリードの経験がない方だったのですが、新たな設備投資の必要がないことと、キノコ菌床の製造のラインはそのままで樹種、水分配合率と菌種を変えるだけで菌床ブロックを作ることができるので、普段からキノコの菌を取り扱っている方なだけあり、すぐに理解していただけましたね。

実は、キノコ菌床の水分量が約60%ほどあります。しかし、その水分量だとクワガタは育たないので、無菌状態の樹種からヒラタケの菌を入れて、水分量を50〜52%に調整する必要があります。そのため、クワガタ用菌床で配合のノウハウがあるわたしがプロデューサーとなり菌床ブロックを作ることになりました。

こだわりの菌床ブロックができるまで 

今さらで恐縮ですが…『菌床ブロック』という言葉を初めて知りました。クワガタの飼育にどのように利用されるものかお聞きしたいです!

大沢 竜児さん

菌床ブロックとは、クワガタの幼虫の餌になるヒラタケの菌を入れたものです。市販で売られている菌床ブロックには幼虫が大きくなるための添加剤が混ぜられていたり、ブリーダーさん独自でトレハロースや糖分、タンパク質などを混ぜ合わせて作っているところもありますが、自社では添加剤をまぜないナチュラルの菌床ブロックを製造しています。

幸いなことに、現在大竜ファームの菌床ブロックを購入頂いている方からは好評をいただいています。だから、他のお友達のブリーダーさんたちにも使ってもらいたいと思い、ブリーダーさんの考え方や飼育方法にも対応できるように添加剤を含まないナチュラルの菌床ブロックを提供しています。最初から色んな添加剤が入っていると、強すぎる添加剤に慣れていない虫は死んでしまったりもするので。

大沢さんの『菌床ブロック』でここにこだわってる!というポイントをぜひ、お伺いしたいです!!

大沢 竜児さん

まず、菌床ブロックの水分量です。水分が多すぎると、菌床の劣化が早まったり、それを食べるクワガタも水太りしてしまいます。そのため、劣化の進行速度が遅い方が優秀なブロックとなります。そのため、添加剤をあまり使わないナチュラルベースのブロックを開発しました。

次に菌種です。北海道のエゾヒラタケ(通称カンタケ)の菌種を培養して独自の菌種を開発しました。クワガタは通常20度前後でブリードするのですが、その温度帯はヒラタケの成長にとっても適温なので、気づいたら菌床ビンからヒラタケが生えてきてしまうことが課題でした。キノコが生えてしまうと、菌床の劣化を促進してしまいせっかくの菌床を台無しにしてしまうのです。

キノコ、でかくないですか!?(笑) 私の知っているヒラタケの大きさではないのですが(笑)

大沢 竜児さん

八丈島の気候が成長を更に促進させているようなのですが、これでは飼育ができなくて困ってしまうので、気温が10℃以下にならないと、成長が始まらない寒帯地域のカンタケに注目しました。カンタケであれば、クワガタのブリード温度でキノコが生えてくる心配がないことに気づいたんです。そして、カンタケの菌床ブロックを北海道のメーカーから購入していたのですが、菌床に利用している北海道のブナの樹種も気になってしまって…(笑)

わたしも当初はブナを使用していたのですが、北海道の様に寒い地方で育ったブナはゆっくりじわじわと育つため年輪が詰まっている硬い樹種になりやすいんです。そこで、ブナはブナでも熊本県でとれるブナの樹種を使ったらどうだろうと思い立ちました。熊本のブナの方が北海道と比較して暖かいので年輪が広く、木の成長速度が速く、柔らかい樹種ができあがると考えたんです。その結果、寒帯地域のカンタケ菌種と温暖地域のブナの樹種のハイブリッドのオリジナル菌床ブロックが出来ました。

(注)現在、全国的にブナの原生林がなくなりつつあり、九州での伐採が出来ないため、ブナから九州産のクヌギに樹種変更し製造しています。

スマトラオオヒラの品種だけではなく、樹種でも品種の掛け合わせを行っていたのですね…!!奥が深い……。

大沢 竜児さん

ブリード経験からの持論なのですが、菌の分解速度が速い菌床は幼虫は大きくなりやすいという感覚をもっています。もちろん、樹種にもよるのですが。そのため、ブリーダーさんの手元に菌床ブロックが届く頃に、リグニンやセルロースがキノコ菌によって分解され、幼虫が食べやすい固さになるように独自培養した菌を使っています

こだわり具合が想像を超えていました…!(笑)

大沢 竜児さん

自然界でも、死んだ木は朽ちるまでに数年を要します。数年放置した後、菌やバクテリアが分解をすることで、木を朽ちさせ土に還えり、土壌が養分に変わる。そして、その木にクワガタは卵を産むので、枯れ木に幼虫が入っていたりすることも多いのですが、傍には必ずキノコが生息しています。つまり菌床ビンというのは、擬似的に自然界の食物連鎖の流れを作り上げているのです。

だから、クワガタのブリードもキノコも扱う菌種の違いで多少の癖はありますが、菌の世界という点では同じ土俵に居る感覚なんですよね。

離島ならではの苦悩…輸送の課題をどのようにクリアするか
 

『菌床ブロック』のプロデュースを行った後、販売で苦労した点はありましたか?

大沢 竜児さん

手前味噌にはなりますが、自分でも良いものができたと思えたのでキノコ菌床生産工場のメーカーさんに加えて、独自にBASEで販売サイトを作成し、販売を始めました。

しかし、製造工場が九州なので、八丈島まで輸送してからお客さんへ配送をすると運賃が二重でかかってしまいます。二重の運賃をお客さんに強いるのも心苦しかったので、現在は自社サイトで購入していただいた方も、九州の工場から直送しています

なるほど…ボトルネックが輸送の運賃とすると、離島でのEコマースはかなり厳しそうですね…。

大沢 竜児さん

そうですね…。運賃の話をすると九州のキノコ菌床生産工場さんはヤマト運輸の契約運賃で配送ができるのですが、八丈島に限らず離島は契約運賃が結べないんです。仮に結べたとしても100円引き程度でほとんど定価と変わらない。本土だと年間何個発送してくださいという縛りは発生しますが、全国一律500円などの特別料金が組むことができるんです。

しかし、離島というだけでヤマト運輸でもゆうパックでも基本料金が非常に高くなってしまうのはEコマースをやる上では一番のネックと言っても過言ではないですね。別事業の「うみかぜ椎茸」の自社Eコマースでは、椎茸1袋880円のところ送料が1200円かかってしまう現状です。

九州のキノコ菌床生産工場さんと出会えなかったら、菌床ブロックを作る工場を持っているわけでもない上に、送料が高すぎて自身でEコマースをやろうとは思えなかったですね。そして、この問題については、わたしだけではなく行政と連携していくことが必要不可欠と考えています。送料の課題が軽減されるだけで、ハンドメイドアクセサリーを売りたいなど離島でのEコマース事業も活用しやすくなると思います。

ニッチ商材だからこそ、届けたい人に届けるコミュニティの強み 

離島ならではの苦労についてもう少しお伺いしたいのですが、認知や集客はどのようにされていたのでしょう。

大沢 竜児さん

宣伝はTwitterのみです。虫関係者でTwitterをやっている人も多くて、おかげさまであれよあれよという間にフォロワーが増えていきました。今では虫業界では少しは顔も知ってもらっているのかなと。

なので、菌床が完成した時に販売したら欲しい方いますかとツイートをしたんです。そしたら、想像以上に良い反響をいただいたのでそれならEコマースで売ってみようかなと思い立ちました。Twitterでは日々、自分で作った菌種を使って育てた虫の成長記録をツイートしています。結果、それを見ていただいた韓国の方からお問い合わせを頂いたこともあります。

越境のEコマースもされているのでしょうか?

大沢 竜児さん

チャンスがあればやりたいとは思っているのですが、国によっては菌や生き物の輸入が難しいので税関の問題でまだ輸出までは取り扱い出来ていません。もちろん、需要の問題も考えないといけないですよね。韓国からお問い合わせ頂いた方は、元々は日本に住まれていた時に虫を飼育されていたのですが、韓国に戻られても続けたいという背景からご連絡いただきました。

日頃から情報交換や、お互いを励まし合う活発なTwitter上のコミュニティがあるんですね!!だからこそ、自身でプロモーションを打たずとも自然発生的に商品のレビューやUGCが生まれているのは、ファンコミュニティならではの強みであり、ニッチ市場ではとても重要なポイントと言えそうですね!

大沢 竜児さん

そうですね!菌床ブロックは昆虫を愛する、本当に欲しい人が買ってくれたらいいと思っています。ブリーダーさんは自分の虫がどれだけ大きくなるのかを日々試行錯誤されているので、常に新しいものを探しているんです。

お試し期間は1年間以上…!?知られざる菌床ブロック通販の世界 

ブリーダーさんにとって菌床を変えるのは飼育の観点からリスクが大きいと思っていたのですが、常に新しいものを探しているという情報は意外でした…!

大沢 竜児さん

昆虫には餌慣れという過程があります。例えば、餌Aと餌Bがある場合、成体の1代目〜2代目までは餌Aで育て、3代目から全く異なる菌種の餌Bで育ててしまうと、個体として大きくなりづらくなります。つまり、餌に慣れたほうが個体が大きくなることを餌慣れといい、親の世代が食べていたのが餌Aであれば、子世代も餌Aで育てるべきなんです。

ブリーダーさんにもよりますが本筋で飼育しているクワガタとは別のラインで常にテストをしていることが多いです。そこで、大竜菌種を試してもらい、結果がでればリピートしてくれますね

つまり、新規のお客さんのお試し期間でも1年以上の利用は見込めるということですよね…!

大沢 竜児さん

そうですね。テストといっても、1,2回使っただけでは結果は見えません。餌慣れするまで食べ続けて次の成虫に仕上がった段階で初めて少し結果が見えてきます。その間、交尾種付けから始まって、幼虫が成虫になるまで約1年半から2年かかります。大型なら羽化するまでにより時間がかかるので検証には更に時間が必要になりますね。

なるほど…ちなみに、1回に使用する菌床ブロックの量はどれほどなのでしょうか。

大沢 竜児さん

ブリーダーさんの飼育規模にもよりますが、、菌床ブロックはブロックを崩して800cc、または3200ccのビンに詰めて利用します。大竜ファームでは他の市販品より菌床ブロックの大きさは小さめになっています。そのため、他のメーカーさんだとビン4本程度作れるところ、1つの菌床でビン3本程度の量しか取れません。つまり、10頭を飼育していれば10倍の量が必要になる計算です。

なるほど!!一度に結構な量が動くということですね!ちょっとずつ概要が理解できた気がします!

大沢 竜児さん

1回の注文でもかなりの量が動きますね。そして、各ブリーダーさん、約20〜30頭をメスから取って飼育しているので、10頭には収まらない規模が大多数です。そのため、簡単な計算で30頭いれば菌床ブロックが10個必要になり、それが最小個数ですね。

加えて、メスは現状以上に大きくはならないので800ccで十分ですが、オスは育てただけ大きくなるので、オスに合わせたビンサイズを用意しようとすると2400ccや3200ccが必要になります。このサイズはうちの菌床ブロックが丸ごと1つ入る大きさです。

そこまで考えて、あえて小さめに作られた…とかですか?

大沢 竜児さん

いえ、たまたまキノコ菌床生産工場の機材で4000ccの袋に詰めることのできる設備がなかっただけです。大きさを変更するには何百万円もの設備投資がかかってしまうので、うちは2500ccで勝負しようと決めました。その分、価格も他社の4000ccの菌床ブロックと比較すると若干安くなっています。

良し悪しがわからないから試しに使ってみる化粧品などのお試しセットとは異なる感覚ですね。製造方法や素材までを確認してから買われて居る方が多いので、価格はそこまで比較検討の要素にはならないのかな、と思ったのですがいかがでしょうか。

大沢 竜児さん

そうですね。結果を求めて買うお客さんが多いので、ただ安いから試してみようかなという感覚だと、餌慣れが必要な昆虫なので次に繋がらないですよね。

虫界隈では、年4回発行される季刊誌「BE-KUWA」という雑誌で飼育のレコードコンテストがあります。ブリーダーさんにとってある種のバイブルみたいになっているのですが、そこでギネスが出たとなると、拍がついて、いい値段になる菌床ブロックもあったりします。

宝くじ売り場みたい……(笑) 面白い!

大沢 竜児さん

他社さんも、すごく性能の良いもの売ってるのですが菌床の価格自体はピンキリで、高価な菌床ブロックだからといって管理が悪ければ成体は大きくはなりません。どんなに良い菌床ブロックでも、ブリーダーさんの助けになるのは50%程。残りはその人の管理能力にすべてかかっています。

そのためナチュラルの菌床ブロックであれば、素人さんはそのままでも使えるし、プロは自分の添加剤の割合で混ぜて利用ができます。製造段階から色々と混ぜてしまうと、自分のさじ加減での調合ができないので、プロのブリーダーさんが使いづらくなってしまうんですよね。

これから離島Eコマースを始めたい人へのアドバイス 

ここまで大沢さんの熱い想いを伺ってきたのですが、その想いや意図を伝えるためにEコマースで工夫されていることをぜひ、お伺いしたいです!

大沢 竜児さん

極端に他社さんを誹謗中傷するような内容は書きません。そのうえで、うちの菌床ブロックはナチュラルベースが特徴なのでお客さんのさじ加減でご利用いただけます。 みたいな内容にはなっていると思います。

加えて、各ブリーダーのブリードルームの環境の違いや理論、添加剤使用の有無などによって成長度合いが大きく異なります。100%幼虫が大きくなる事を保証する物でもない、ということをしっかりと伝えることですね。

実際の商品詳細ページ

すみません、一見素人目に見ると、注意書きのようにも見えるのですが、わかる人が見たら「ナチュラルベースの菌床を使っているから、これだったら自分でカスタマイズできる」と理解してもらえるということですね! チップの割合とかまですごい細かくかかれていているんですね(笑)

大沢 竜児さん

2ミリの8割、5ミリの2割に修正して、水分率50%です。添加剤は菌廻しのためのフスマ5%のみ。中に入れた菌を育てるためにフスマという小麦由来の栄養素を入れてます。この配合は椎茸栽培でも同じです。

ナチュラルベースに仕上げたので、そのまま使用するもよし、皆様の理論で添加するもよし。チップを細かくする事で小さな幼虫から大きな蛹(さなぎ)になる手前の幼虫までが食べやすいですよと書いています。

…………なるほど?(笑) 暗号にしか聞こえないんですが、伝わるんですね!すごい…!

大沢 竜児さん

菌は日々分解をするので、ひと月も経ってない作りたての若い菌床だとクヌギの木材が固くて幼虫が食べづらいことがあります。だから到着後は、3ヶ月程放置してから栄養素を豊富に含んだ状態になったら使うことで効果が高まりますとアドバイスもいれています。

これらの文章は自分で考えたのですが、BASEだと簡単にホームページが作れるだけではなく、在庫管理から、色んな決済方法が選択でき注文管理までスマホ1台で完結出来るのでとても助かっています。利用手数料はかかるのですが、それでも余りあるほど便利なので使い続けていますね。

スマホ1台で完結できるのはとても便利ですね!! Eコマースを始めたい際はBASEで簡単にできるとして、それ以外でこれから離島で Eコマースをやっていきたいと思っている方へ大沢さんからアドバイスをお願いします!!!

大沢 竜児さん

どのサイトで売るかという点は色々考える余地はあると思います。うちのEコマースにも言えますが、独自サイトを作ったはいいが、最初は知名度がないのでテレビに取り上げられない限りは注文もあまり入ってこないです。なので、BASEのように販売サイトに登録してお客さんに見つけてもらう種まきからが始まりですね。

あとは手数料です。大手サイトはたくさんの人に見つけてもらえるメリットはありつつ、月に手数料で何万も取られてしまうと、赤字になってしまいます。そのため、離島でEコマース事業をやるのであれば手数料の高さはリスクになりやすいので、どのサイトを選ぶかはご自身の商品やサイトの売上と相談して決めるのが良いと思います

具体的なエピソードからアドバイスまでありがとうございました!!!大沢さんをモデルケースにこれから離島でもEコマースを始める人が増えるといいですね!

秘密基地の様な大沢さんのブリードルーム
いつもこの椅子に座って考え事をするという

編集後記

東京から飛行機で1時間の伊豆諸島、八丈島をご存じでしょうか。近年は、IT業界を中心に話題の会員制のサテライトオフィスがオープンするなど、都内からのアクセスの良さで、南国を感じることができる観光地として話題です。

そんな八丈島で出会った、大沢さん。出会った時から「ぜひ取材させてください!!」とオファーを送り続け実現した今回のインタビュー。インタビュー中は終始自分の知らなかった単語、世界の情報が波のように流れ込んでくる感覚。しかし、知らない世界ではありつつも、こだわりを突き詰めた先にある「沼」と、本質的なビジネスのフレームワークはシンプルではありつつも、ニッチ市場ならではのファンマーケティングを垣間見ることができたのではないでしょうか。

八丈島在住で事業を始める人も近年では増加傾向。その前提には、新しいモノを受け入れる土台となる「島民の人柄」というソフトの面はもちろん、「設備」などのハードの面も整っていることが八丈島の強みなのではないかとインタビューを通じて感じました。

土台はある。だからあとは、どう使うか、誰がやるか、が肝になる。その根幹を担う世代のお一人でもある大沢さんとのお話はとても楽しかったです!貴重なお時間をありがとうございました!!

インタビュー:杉山 美和
文:杉山 美和
編集:阿部 圭司
写真:杉山 美和/齋藤 彩可

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